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ソフトバンク 2014/03月期の「子会社化に伴う一時益」

2014/06/05 23:13 に Naota ASAO が投稿   [ 2014/06/05 23:14 に更新しました ]

ソフトバンクは2014年5月7日、2014年3月期(2013年度)連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高は前年同期比108.2%増の6兆6666億5100万円、営業利益は同35.8%増の1兆853億6200万円と増収増益だった。
(中略)
売上高は2013年7月に買収した米スプリントの影響が大きく、約2兆6000億円の押し上げ効果があった。営業利益についてもガンホー・オンライン・エンターテイメントとウィルコムの子会社化に伴う一時益が約2539億円の押し上げ効果となっており、これを差し引くと前年同期比4%増(321億円増)になる。
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「ITpro by 日経コンピュータ」サイトのニュース記事
※下線は引用者による。
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ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホーと表記)と、ウィルコムの子会社化に伴う一時益とは何でしょうか? ソフトバンクの決算短信を見てみました。

この2社の子会社化の経緯はちがっているのですが、いずれも「企業結合に伴う再測定による利益」が計上されています。

ここで言う「企業結合」は「子会社化」を指します。
ある会社を子会社化したときには、その時点でその会社に対する持分を「公正価値」で評価しなおしなさい、というルールがあります(日本基準、国際会計基準(IFRS)、米国会計基準とも共通)。これが「再測定」です。

公正価値」は、決算書に示されている「簿価」ではなく、(かなり大雑把ですが時価に近いものだと考えておきましょう(「市場価格」「再調達価格」「将来キャッシュフローの現在価値」などで算出)。


まず、ガンホーの場合。
段階的取得」と言われるもので、ソフトバンクは,元々ガンホーの一定割合の株式を保有していたが子会社にはなっていなかった。これを追加取得などによって(支配を獲得し)、子会社化しました。

このときに、元々保有していた株式(資本持分と言われます)を公正価値で再測定したら、高くなっていたので、その分を利益として計上した、というわけです。
「高くなっていた」というのは、元々保有していた株式は、その取得額などで、ソフトバンクの資産として計上されていたわけですが、それよりも再測定の結果が「高くなっていた」という意味です。

この金額が、150,120百万円(約1,501億円)。

次に、ウィルコムの場合。
ウィルコムは前からソフトバンクの子会社じゃなかったのか、と思う方も多いかもしれません。実際、ウィルコムの株式を100%保有していました。ところが、ウィルコムは会社更生会社だったため、ソフトバンクが支配していないということから、連結決算上の子会社にしていなかったのです。

ところが、2013年7月にウィルコムは更生手続きを終えたので、ソフトバンクの子会社になったのです。
したがって、ここでも公正価値での再測定が行われ、やはり高くなった分を利益として計上した、というわけです。

この金額が、103,766百万円(約1,038億円)。

ガンホーとウィルコムを合わせると、企業結合に伴う再測定による利益は約2,539億円となります。(上の記事と一致。)

※ この利益を「営業利益」に計上すべき理由や、それ以外の純損益区分ではダメなのか、については私はわかりません(包括損益は不可とされます)。

※ なお、この話は「のれん」とは直接対応していません。「のれん」は買収等によって他の会社を子会社化してときに発生するもので、資産(または負債)に計上されるものです(損益ではない)。

以上■
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