「成長を停止すると宣言する上場企業が今年中に現れる」という予想

最近の世の中の動きを見ていて十分ありうると思ったので、思い切って予想を書いてみました。日本の会社に限らず世界まで含めます。

上場企業はつねに株主の期待にさらされているので、「成長する」と言うのが建前です。なのに、どうしてこういう予想になるか。

人類は今、気候変動の危機に直面しています。2030年までの10年間に温暖化を一定の範囲に抑えらないと、温暖化が加速してしまうという見方があります。

そこで、少なくとも温暖化にブレーキをかけるのに成功するのを「サステナブル」だとしておきます。「サステナブルな経済成長」という考え方もありますが、両立は無理という説もあります。エネルギーの脱炭素化などを進めても間に合わないという説です。どちらが正しいかはわかりません。ただ、世界人口が年1億人近いペースで増え続けることを考えると、両立しないほうがふつうに思えます。

同じように、「サステナブルな経済成長」は現実的でないと捉える企業があってもおかしくありません。そして、それを真剣に受け止めれば、自分たちの会社も成長を図るべきでない、と考える可能性も十分にあります。

さらに、その認識に誠実であろうとするなら、株式市場にそのメッセージを送るでしょう。成長を停止する宣言をする方が株主や投資家から評価される、と読むかもしれません。

私は評価されると予想します。株価は下がらず、むしろ少し上がるのではないでしょうか。一部の株主・投資家は同じく、成長を図るとサステナブルでなくなると捉えているはずだからです。

ただ、その動きがどこまで広がるかは読めません。意外に大きなうねりになる可能性もありそうですが、それは期待に過ぎないように思います。

どんな会社がそのような宣言をするでしょうか。業種等はわかりませんが、ROE 5%以上を維持する見通しが条件になりそうです。利益額は横ばいまたはやや減少、温室効果ガスのネットゼロ(または減少)を2030年より前に実現、というようなシナリオだと思われます。