自然経営研究会 2019年2月のMC 私的レビュー
Post date: 2019/02/15 0:24:51
私(朝尾)も運営に関わっている「自然(じねん)経営研究会」の2月の Monthly Conference(月例会をそう呼んでいる)が先日行われました。
今回はこれまでで最も大規模で、事前のお申込みが、オンライン(zoom)参加を含めて200名に達しました。
[概要]
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自然(じねん)経営研究会 2月のマンスリー・カンファレンス
実践企業5社の経営陣が語る | “新しい組織”のリアル(2019/02/12)
パネルディスカッション(1)
「"新しい組織"への転換の進め方」
株式会社ISAO 代表取締役 中村圭志さん
株式会社ネットプロテクションズ 執行役員 秋山瞬さん
パネルディスカッション(2)
「 "事業の成長" と "新しい組織" を両立させる意義と難しさ」
株式会社ソニックガーデン 代表取締役社長 倉貫義人さん
ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 武井浩三さん
★株式会社アトラエ 取締役CFO 鈴木秀和さんは急病によりご欠席
コーディネーター: 山田裕嗣さん(自然経営研究会、代表理事)
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[私的レビュー]
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★筆者の記憶・解釈にもとづいています。
登壇者の発言を正確に踏まえている保証はありません。
予めご了承ください。
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パネルディスカッション(1)
最初のお二人は、フラットよりオープンを強調されていた。
階層がなくフラットというのは、固定的な階層がないのであって、プロジェクト単位で主に決める人はいる。
ただ、その人が固定的でなく、プロジェクトによって代わり、プロジェクトにおいてもすべてを握っているわけではない、ということらしい。
むしろ、情報が公開・共有されてオープンであることが重要だと。
確かに、共有されていないと意思決定が情報を持っている人に集中してしまう。
もう一つ、非管理型・ティールと言われるような組織形態は、それ自体を目的にしたわけではないというのが、お二人の共通点。
事業がうまくいくように模索した結果、模索した結果辿り着いた形だと言う。
もちろん事業だけではなく、働く人の観点もあるわけだけれど、最初から階層や管理のない組織を目指したわけではないと。
パネルディスカッション(2)
次のお二人の会社の社員数はともに30数名。
倉貫さんの会社は全員がリモートワーク。16都道府県にまたがっているとのこと。
武井さんのところはオフィスがあって人が集まっている(マストではない)。
印象としては、倉貫さんは前のお二人と似ている。
管理しないのは、ムダな管理コストを減らすことと創造性を引き出すためだという。
大事なのは成果を出すことだと強調されていた。
昔と比べて職業が、量産的・繰り返しの仕事から創造的・一回かぎりの仕事に変わっているのに、マネジメントが変わっていなかったと。
これに対して武井さんは、組織の権力構造に対する理念的なものがあるように感じた。
事業(その成果)との両立(武井さんは「融合」と表現)は不可欠とは言いながらも、他の三人とはニュアンスの違いがあった。
例えば、株式会社の組織構造を突き詰めていくと、株主の権力に行き着くので、武井さんところの会社では、議決権を持株会に持たせて個人が行使できないようにしたとか、社会のあり方にまで発言が広がって「政治家みたいですね」と突っ込まれていた。
いずれにせよ、たいへん刺激的なパネル・ディスカッションだった。
会場参加だけで150名ほど、zoomによるオンライン参加がたぶん50名ほどで、このテーマに対する関心の高さを改めて実感できた。
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