ROAの意味を直感的につかむ
Post date: 2013/05/17 6:41:15
Making sense of ROA
財務分析の研修で、ROAやROEという資本利益率の指標を取り上げます。
上場企業にとっては極めて重要な利益率指標ですが、多くの受講者には、「資本(資産)に対する利益率」というものがイメージしづらいようです。
直感的にわかる説明方法として、最近わりと良い反応を得ているのが、マンションを題材にした説明です。
一部をご紹介します。
◆マンション経営とROA
マンションアルファは、年間の家賃収入が12百万円。
ところが税金を含め、もろもろの費用を引くと、残るのは3百万円です。
これを純利益とし、家賃収入を売上高とすると、売上高利益率は、3百万円÷12百万円=25%。
けっこう高い利益率のマンションではありませんか!?
このマンションを経営しようと思いますか?
いやいや、抜け落ちている数字がありますね。いくらのマンションか、です。
マンションアルファを買うには1億円かかります。つまり資産額1億円(=100百万円)です。
とすると、1億円をマンションアルファに投資したときの運用利回りは
純利益3百万円÷投資額100百万円=3%(年率)。
これが資産利益率(ROA)で、預金金利と比較可能な率です。
会社の中で働く私たちは、家賃収入にあたる「売上高」を基準に利益率を捉えることが多いのですが、
投資家の立場では、マンションの価格にあたる資産額を基準に利益率(利回り)を捉える方が大切です。
いかがでしょう、ROAのイメージが湧いたでしょうか?